「口座作れるの?作れないの?」
と、良く質問を受けます。
私たちの答えとしては「はい、作れます!」
「但し…」
と、但し書きが必要となります。
経験上、日本語以外に英語が堪能、中国語が堪能だと自負されている方の95%が口座開設に失敗しています。
その後、「サポートを紹介してください」と泣きつかれることが殆どです。
更に、場合によっては、もう一度香港に来ないと銀行のキャッシュカードが手に入れられないなど、お金も時間もしっかりと失う事になります。
私たちは、HSBC口座開設のサポート会社ではないので、ハッキリ言えますが、HSBCの新規口座開設は・・・
「あなたには無理です。」
それでも、サポート会社ではない私たちにですら、色々なツテを使って相談が来ます。
どうにか作れませんか?と
では、なぜ作れないかというと
「日本人は面倒臭い細かいから」
です。さっきとは真逆ですが、銀行という立場上、資産の管理をしているのですが日本人の言語能力の低さには本気で呆れられています。
という私もそんなに言語が堪能ではありません。それでも香港で生活している以上そこそこ使いこなすことが出来ます。
ただ普通の日本人は、カードの再発行や、セキュリティデバイスの再発行、それの有効化・・・そもそも、自宅へ届くHSBCからの英文/中文での手紙すら理解できていないはずです。
有効期限がある手続もそのままスルーして、口座を凍結させてします。。。
つまり、せっかく海外に銀行口座を持つことが出来たのに、何も使いこなすことなくHSBC銀行から口座をキャンセルされるはめになります。
それももう一度香港に来ないと行けません。それこそ、口座サポート・通訳会社の思うツボですね。
それでも
「やっぱり人気が絶えません。」
何ででしょうか?何がそんなに魅力なんでしょうね?私には全然分かりません。
普通預金の金利も良くないし、税金逃れが出来るわけでもないし、投資口座に関しても、銀行スタッフが面談して、その会話を録音されて理解度が浅いと買うのは止めた方がいいと言われるし。
利回りの良くないHSBCの貯蓄型保険も、香港に住んでいる日本人でなければ加入することは出来ません。
対応は、よっぽどお金を持っていて、更にラッキーな事に日本語の出来るスタッフがいればちょっとは楽かもしれません。しかし、、、
「痒いところには一切手が届かないサービス」
それどころか、HSBC口座を持っておくことが将来苦痛になるかもしれません。
ご存じですか?
ある条件に当てはまる人は、2018年から実施が決定している国家間の口座情報交換制度の情報交換対象者となる可能性もあります。
となると、もしかしたら甘い言葉で
「海外の銀行口座で税金逃れが出来る」
と、言われて作ったHSBCほか、海外の銀行口座が、あなたの今の立場を、そして足元をガラガラと崩壊させる可能性もあります。
本当にそう思っているあなたは正直、考えが浅すぎます(笑)
更に、既に施行されていますが「国外財産調書」の報告義務化でしっかりと網を張られています。国家としても相続税を絶対に逃したくないですし、税金逃れなどもってのほかですからね!
詳細なルールが知りたい方は以下を参照されてください。
このような、他国家間でのルールのもと、かつては自由と言われた香港の銀行も、非常に厳格なそして、細かいルールに縛られ始めています。
ただ、逆に他国家間の足並みを調整する事は、容易ではありませんので、現状は、私たちも見守っています。
しかし、規制の厳しさの為に日本人受入れの扉が閉まろうとしています。
「窓口でもその厳しさが際立ってきました。」
どういう事かというと、3年位前までは(本日2015/9/12)多額のお金を持ってきて、HSBC銀行に入金していた時代もあったようですが、
日本でも厳格に規制されているのと同じように「マネーロンダリング」に対してとても敏感になっています。
ただフラフラと、お金を銀行に持って行っても、銀行は預かってくれません。
HSBC銀行の行員も馬鹿ではありませんから、そのお金が怪しいお金ではないという証明が必要になります。
更に、厳しい情報として、ある一定額以上は「出国時の申告書」を要求されることもあるようです。
全てはルールに従う必要性が出てきました。
じゃあ、
「これから私たちはどうすればいいの?」
既に目的を持ってHSBC口座を持っているあなた。 ➝ きちんと使いこなしましょう。
未だに悩んでHSBC口座をもっていないあなた。
それぞれの立場で、しっかりした戦略をもって、海外の活用を考える時代に突入しています。何が答えかなんて、誰にも分かりません。私にも分かりません。
なぜかというと、あなたが今後どうしていきたいのか?
国家間のルールがどのように変わっていくのか?想像はできても確実ではないですからね。ただ、どうしたいか?全てを選択する権利は「あなた」だけが持っています。
私たちが提供しているのは、判断・選択のための材料を提供することです。
「それでも口座を持ちたい人は?」
ここまで読んでも、まだ夢を持ってHSBC銀行口座をあなたへのアドバイスとして
「もう一度、1ヶ月じっくり考えてみてください。」
と助言させて頂きます。
別に私は、あなたの邪魔をしたいわけではありませんが、これまで口座を開設して、上手くコントロール出来ない日本人をあまりにも多く見てきました。
つまり、無駄になる可能性が非常に高い!と言うことです。
その時に、一番メリットが有るのは誰かというと「口座開設サポート会社」です。何の責任もありませんからね。お金を貰って、口座を作って、はいおしまい!
そんな会社が何社も発生しては、消えていくのも見てきました。その後、誰がサポートしてくれるんでしょうかね? 考えただけで可哀想です。
なので、しっかりと自分の意識を振り返ってじっくり思い出してください。
✔いつ、HSBC銀行の情報を耳にしましたか?
✔どこで、HSBC銀行の情報を耳にしましたか?
✔誰から、HSBC銀行の情報を耳にしましたか?
✔その時に、何と言われてその気になりましたか?
✔なぜ、HSBC銀行口座開設をしたいという気持ちになりましたか?
✔何の、目的でHSBC銀行口座を開設するんですか?
✔どうやって、口座を開設したあと、凍結しないように管理しますか?
上記を、一ヶ月掛けてしっかり考えてみてください。
それでも、HSBC口座がどうしても必要、どうしても持ちたい場合は、一生涯付き合うことが出来るであろうサポート会社を紹介します。
しかし、そのようなサポート会社でも100%の確立ではありません。
「あなたにも努力が必要です。」
私が知る限り、仕事で忙しい中、
・役所に行き事前に必要な書類を整え、
・飛行機のチケットを予約して、
・ホテル代の馬鹿高い香港のホテルを予約して、
・事前に最低限度の英会話のレクチャーを受け(余りにも酷い時は断るようです)
・会社の休暇申請をし、
・サポート会社とのやり取りを何回も繰り返し、
・サポートを受けるための料金を支払い、
・HSBC銀行で最低預入額を入金し(最低HKD5,000は使えないお金として入れる必要あり)
・英語で30分以上、銀行の担当者との面談をし、
・海外でも日本でも銀行を使えるようにインターネットバンキングを設定し、
・口座開設後も、銀行が凍結しないように、日々HSBC口座情報を覗いていく、
などなど、
忙しい日常が、更に忙しくなる可能性もあります。
まずは、しっかりと判断をするための情報収集(リサーチ)をしてください。
香港に居住しているあなたには、個別にお伝えできる情報もありますし、香港金融に関するセミナーも開催していますので、有効に活用してください。
それでは、日本人の国際化を促進できるよう、難しい情報を分り易くお伝えしていきます。
国際派FP イチロー